私たちは「CSWS患者家族会」という名称で活動していますが、ランドウ・クレフナー症候群(LKS)のご家族も対象としています。
LKSは、聴覚性の言語障害(ことばの理解や表現の難しさ)が特徴となる、CSWSにとても近い症候群です。
CSWSと同様にESES脳波の治療が中心となるため、課題や経験を共有できると思います。
ぜひお気軽にご連絡ください。


ランドウ・クレフナー症候群 (LKS)とは

どのような病気でしょうか?

言語理解の障害とてんかん性異常波が持続する特徴的な脳波所見を示す病気です。聴力に問題なく会話も年齢相応にできていたこどもが、210歳頃に突然言葉がわからなくなり進行性の経過をたどります。脳波検査では睡眠中にてんかん性異常波が持続します。
70%程度にて
んかん発作を認め、多動、興奮、高い衝動性等の精神行動障害を認めることもあります。
てん
かん発作と脳波所見は改善することが多いですが、言語聴覚障害と精神行動障害が残ることがまれではありません。


どのような症状がありますか?

発症早期には、耳の聞こえが悪く聴覚障害をもつ人のように音声への反応性が低下し、聞き返しが増える等の症状がみられます。その後、発音が不明瞭になり、自分から話すことが減ります。進行すると読み書きも障害された状態になります。音の聞こえを調べる聴力検査と、音に対して脳が電気的に反応しているかを調べる聴性脳幹反応は正常で、音や言葉は脳にまで届いてはいるが、それが何かわからないという“聴覚失認”の状態になっています。
脳波では睡眠
中にてんかん性異常波が持続します。聴覚失認と睡眠中の持続性の脳波異常の2つが、ランドウ・クレフナー症候群の診断に必須です。
その他、70%にてんかん発作が認められます。また、多
動、興奮、高い衝動性等の精神行動障害を認めることもあります。
てんかん発作と脳波所見は、
各種の治療により多くは思春期までに改善します。しかし、言語機能が正常化することは2030%にすぎず、多くは言語聴覚障害と認知障害、精神行動障害が残ります。


どのような検査が必要ですか?

脳波検査が必須です。脳波ではてんかん発作の有無にかかわらず異常がみられます。左右両側の側頭葉にみられることが多く、睡眠時にはてんかん性発射が頻発し、ほとんど持続しています。
但し、病初期には正常のこともあるため、繰り返しの検査が重要です。言語、会話の障
害を認めますが、音の聞こえを調べる聴力検査と、音に対して脳が電気的に反応しているかを調べる聴性脳幹反応は正常です。


どのような治療がおこなわれますか?

てんかん発作に対しては、抗てんかん発作薬の内服治療が行われます。発作症状に応じて、バルプロ酸、エトスクシミド、ベンゾジアゼピン系薬剤等が選択されます。内服の抗てんかん発作薬が脳波上のてんかん性発射に対して無効なことがまれではなく、ステロイド療法や免疫グロブリン療法が行われる事もあります。言語聴覚障害は薬剤抵抗性で難治のことが多く、ステロイド療法と免疫グロブリン療法等の効果も充分ではありません。言語聴覚障害に対して確立した治療はなく、聴覚失認と同様のリハビリテーションが行われます。


生活上で注意することはありますか?

まず、周囲の人が患児・患者さんからの頻回の質問、聞き直しを理解し、それを受容することが大切です。聴覚失認患者さんへのリハビリテーションと同様に、話し手が顔や口唇の動きを明解にして、かつジェスチャーも交え話すようにすることが望まれます。