症例紹介

CSWSは、発症年齢や背景、治療への反応、その後の発達など、経過に大きな個人差があります。
家族会では、CSWS発症前には知的障害がなく、その後それぞれ異なる経過をたどった3症例を紹介しています。
症例を通じて、CSWSの経過には大きな幅があることを知っていただくための参考資料として掲載しています。

症例① CSWS改善後、高校普通科へ進学した症例(後遺症なし)

CSWS診断年齢:7歳5か月

成育歴:正常出産・正常発達
主な症状:言語機能の低下
主な治療:抗てんかん薬調整
脳波の推移:ローランド波出現→睡眠時異常波持続→4ヶ月でCSWS終息→異常波消失
現在の状態:寛解(内服薬終了・経過観察中)


てんかん発症からCSWS診断・改善までの経過
5歳4ヶ月:初回発作でローランドてんかんと診断
5歳9ヶ月:夜間発作増悪
6歳4ヶ月:発作後左腕麻痺確認。翌日に改善
6歳7ヶ月:夜間発作頻発。口腔内外感覚不全。流涎あり
6歳8ヶ月:日中も発作出現。不随意運動出現。左側顔面麻痺。(約半年後に改善)
6歳10ヶ月:発話明瞭度低下。失声症状、声の震え症状出現。(約1年後に消失)
7歳3ヶ月:音読が困難。文字を拾い読みし、単語として読めない。書字機能低下。視力に異常なし
7歳5ヶ月:CSWS診断
7歳6ヶ月:セルシン大量投与。発作変化なし
7歳7ヶ月:ステロイドパルス1回実施。効果あり
7歳8ヶ月:学校に通級指導申請
7歳9ヶ月:睡眠中の棘徐波出現率が80%以下(CSWS診断基準を下回る)
8歳4ヶ月:睡眠中の棘徐波出現率が50%程度。覚醒時の異常波減少。日中の発作減少
8歳6ヶ月:書字機能改善
8歳10ヶ月:声の震え消失。学校でディスレクシアの対応を行う
9歳2か月:睡眠時の棘徐波出現率が30%程度
10歳0ヶ月:最終発作
10歳2ヶ月:覚醒時異常波消失。睡眠時異常波ほぼ消失
10歳8ヶ月:通級指導卒業。以降通常学級のみ在籍
10歳9ヶ月:てんかん治療のため辞めていた習い事を再開
14歳5ヶ月:内服薬終了


効果がみられた内服薬
マイスタン、エピレオプチマル

その他治療
セルシン大量投与:効果なし
ステロイドパルス:効果あり

内服治療
テグレトール・イーケプラ・デパケン・エルカルチン・マイスタン・エピレオプチマル・セルシン

現在の発達・神経学的状態
知的障害 なし IQはてんかん寛解後に上昇
発達障害 なし
高次脳機能障害 なし
麻痺 なし
運動機能は回復

学校歴
通常学級(小1~)
通級指導(小2~小4)
高校は受験にて普通科に進学

症例② CSWS改善後、高校普通科へ進学した症例(高次脳機能障害、学習障害が残存)

CSWS診断年齢:6歳9ヶ月
成育歴:正常出産・正常発達中、4歳10か月感冒症状・皮疹後、川崎病
主な症状:発語の後退、集中力の低下、行動の変化 など
主な治療:抗てんかん薬調整、その他の治療 など
脳波の推移:睡眠時異常波が持続 → 8歳頃から徐々に減少 → 現在も一部異常波が残存
現在の状態:発作消失。CSWSの活動性は低下しているが、閉眼時・睡眠前にspikeがあり内服治療を継続中


てんかん発症からCSWS診断・改善までの経過

4歳11ヶ月:初回発作で中心側頭部に棘波を持つ小児両性部分てんかんの診断
6歳6ヶ月頃:知的、運動機能退行確認、発作増悪
6歳9ヶ月:失語・日中の非定型欠神が重積し、非定型欠神重積、球麻痺症状も出現。日常動作も困難となり、大学病院紹介、CSWSの診断
7歳4ヶ月:内服調整にやや効果みられ、最終発作
7歳7ヶ月:発作が消失したため、手術適応なしとの判断
7歳9ヶ月:シンメトレル内服開始。効果あり
8歳3ヶ月:睡眠中の棘徐波出現率が60%に(CSWS診断基準を下回る)
8歳4ヶ月:脳波所見はさらに改善し50%に(CSWSの活動性は低い状態と判断)


効果がみられた内服薬
シンメトレル・ビムパット


その他治療

ミダゾラム持続静注:効果あり
ステロイドパルス:効果一時的
免疫グロブリン:効果なし


内服治療

イーケプラ・セレニカ・リボトリール・エクセグラン・オスポロット・ラミクタール・デパケン・ベンザリン・エピレオプチマル散・マイスタン


現在の発達・神経学的状態
知的障害なし。CSWS発症前と比較してIQ低下がみられ、学習障害が残存
発達障害 なし
高次脳機能障害 あり
麻痺 なし
運動機能は回復し、スポーツテストはA判定


学校歴
通常学級(小1~)
高校は受験にて普通科に進学

症例③ 長期間のCSWSと全脳梁離断を経て思春期に脳波が改善した症例

CSWS診断年齢:6歳3ヶ月
成育歴:正常出産・生後先天性心疾患と診断
主な症状:言語・理解の停滞、行動面の変化 など
主な治療:抗てんかん薬調整、ステロイド治療、全脳梁離断 など
脳波の推移:睡眠時の高度な棘徐波活性化 → 長期間持続 → 思春期に著明に減少
現在の状態:発作消失。CSWSの活動性は著しく低下。少数のspikeが残存し、内服治療を継続中


てんかん発症からCSWS診断・改善までの経過
3歳8ヶ月:初回発作
4歳3ヶ月:てんかんの診断
5歳10ヶ月:知的機能退行、多動症状が現れる
6歳3ヶ月:CSWS診断。以後、内服薬調整では多剤服用も改善せず。知的・運動機能退行、多動症状改善せず。異常脳波は主に前頭葉に出現
7歳4ヶ月:IQ低下により知的障害と診断
8歳4ヶ月:全脳梁離断手術(効果あり)知的・運動機能の退行が止まる
8歳10ヶ月:CSWS再発
11歳11ヶ月:最終発作 多動症状は改善
13歳4ヶ月:脳波所見が改善(CSWSの活動性は低い状態と判断)。脳波の改善と共に様々な機能に改善がみられる
14歳4ヶ月:てんかん寛解(内服加療中)


効果がみられた内服薬
なし(診断書より)


その他治療
ミダゾラム持続静注:初回のみ効果あり(2回目効果なし)
ステロイドパルス:初回のみ効果あり、以降脳波に変化なし
免疫グロブリン:効果あり


内服治療
テグレトール・ダイアップ・エクセグラン・エピレオプチマル・セレニカR・イーケプラ・フェノバール・ラミクタール・マイスタン・ダイアモックス・リボトリール・トピナ・プレドニン・メンドン・ビムパット・トピラマート・アマンタジン・デパケン・バルプロ酸 / 抑肝散・インチュニブ・エビリファイ・リスペリドン


現在の発達・神経学的状態
知的障害 あり
発達障害 あり
協調運動障害、ADHD(CSWS発症後に診断)
高次脳機能障害あり、注意機能障害、遂行機能障害、失語症
麻痺 あり


学校歴
特別支援学級(小1~小4)
特別支援学校 小学部 中学部 高等部